まずスタート
ルージュバックが少し煽り気味に出ます。これによって後方からの競馬を余儀なくされました
ヌーヴォレコルトはテンが速く、前に取り付ける強みを見せていました
内の様子をしっかり確認する岩田騎手
ラキシスが後方に下げたことで、ここで手綱を引いて後方へポジションを下げました
昨年は前に取り付いて目標にされて差されてしまいましたから
岩田騎手は２度轍を踏まぬぞという意気込みが強かったと思います
隊列はこう収まりました
１～５人気までが後方10番手以下に固まるという展開になりました
ラキシスやヌーヴォレコルト。さらに言えばルージュバックは、前で競馬をすると思っていた人が多いでしょう
ラキシスが全く行く気なく、ルージュバックが後ろから。
それに連動するようにヌーヴォレコルトも後方からの競馬を選択
勝利の女神はこの瞬間にマリアライトに舞い降りた気がします。
向こう正面。ここまで動きなし。荒れた内側を回避するように外を通った各馬。
内側がぽっかり空いていましたね
1000m通過タイムが1.00.7。３番手以下の集団は約２秒の差が開いていました。
つまり後方は1.02.7前後のペース。かなりゆっくり流れており、実質的なスローペースとなりました
この内側に空いたポケットにムーア騎手はラキシスを誘導します
土曜競馬のハートレーの勝った新馬戦でも、荒れた内側を選択しましたから
彼の頭の中にはあまり馬場のいいところとかいう考えはなかったと思います
クイーンズリングのシュタルケ騎手もそれを見て素早く内にいれます。
このレースはこのシュタルケ騎手の選択も大きく左右します
ムーア騎手は４角手前で外を確認。
どこかで外に出したいという意図が見受けられました
しかし集団はスローですから、簡単にスペースは空きません
外に目をやりましょう。岩田騎手はタッチングスピーチを外に出させない間隔をずっと維持する、
抜群の騎乗を見せます。ラキシス・クイーンズリング・タッチングスピーチすべてを封じ込める目論見だったでしょう
岩田騎手はスワンSでも外からフィエロを潰しています。
岩田騎手は内を空くう競馬もできますが、外ではこういった人気馬を潰す競馬もできるんですね
間違いなく彼が日本一のジョッキーでしょう
ルメール騎手は外に出たかったでしょう。目線を外にやります
しかし、ヌーヴォレコルトがそれを許しませんでしたね。
完全に騎手の駆け引きは岩田騎手に軍配が上がりました
ラキシスはそれを尻目に内を進出し、絶好のポジションを確保していました
そして、マリアライトも牽制している間に前へ進出を開始しています
この間合いは蛯名騎手の得意とするところ。うまかったです
リメインサイレントとシャトーブランシュの間にわずかなスペースができます。
ここに突っ込みたいところですが、ここは下り坂。
ここで脚を使うと最後止まってしまうので、行きたくてもいけないんですよね
ただ、この後シャトーブランシュがこのスペースを消すので、ここで動かなかったのは正解でした
４角。ラキシスの前には馬の壁。
タッチングスピーチは結局外に出せないまま直線を迎えるハメになります
直線。京都外回りはこのスペースがあくことが有名です
しかし、ここは逃げ馬が失速するために空けておかないといけない暗黙のルールなんですよね。
そのためラキシスはリメインサイレントの外を選択します。ここが明暗を分けました
リメインサイレントの幸騎手はこのポジションを狙いに行ってました
その証拠に左手綱を外へ誘導しています
そのわずか後に、フーラブライドが右ムチ。当然馬は外へ。
その真後ろにいたシャトーブランシュは当然スペース確保のために内側に入ります
このタイミングが奇跡的に合致し、リメインサイレントとシャトーブランシュが同タイミングでラキシスとクイーンズリングの方向へ馬をシフトする形になります
結果、ラキシスとクイーンズリングを挟む形になってしまいました
これがレースの彩というやつでしょう。単純に運がありませんでした。
これでラキシスは大きく頭を上げてしまいます。これで万事休すでした。
そして、外に出せなかったタッチングスピーチは、残り300m付近になっても追い出すことができません
エンジンのかかりが遅いこの馬にとっては致命的でした
その間にもヌーヴォレコルトは前を射程に捉える位置で追い出せていますからね
ラキシスが大きく煽ります。結果的に、リメインサイレントの内側に大きなスペースができてしまいました
あの選択がラキシスに不利を受けさせる形になり、同時にクイーンズリングも不利を受けてしまいました
一瞬の選択がここまで影響を与えるのだから、競馬は本当に深いです
残り300m。この時点でまともに追えていた上位人気馬は、
マリアライト・ヌーヴォレコルト・ルージュバックだけでした
残り200mになって、ようやくスペースのできたタッチングスピーチ。
200mしか競馬出来ていませんね
エインジンがかかってからは素晴らしい伸びでしたね。
敗因は、今日に限ってポジションを取れてしまったことでしょうね。
何かを得れば何かを失います
ポジション前走同様に後ろならば、大外一気が決まったかもしれません。
結果タッチングスピーチは岩田騎手が蓋をしていたために、クビ差届きませんでした
岩田騎手はタッチングスピーチを潰せた代わりに、勝ちを逃してしまいました。
ラキシスはムーア騎手の一瞬の判断で勝負が決まってしまいました
クイーンズリングは結果的に向こう正面でうちに入れたことで、ムーア騎手の煽りを受けてしまいました
ルージュバックはスタートで後手を踏んでしまったのが痛かったです。
でも、最後伸び切れなかったのは、休み明けの分ですね
マリアライトはこの上位人気馬が潰しあってくれたのが大きいです
うまく言えば「蛯名騎手の積極策が功を奏した」
悪い言い方をすれば「運が向いた」
つまり、馬券を買った人もそうでしょう
マリアライトを買った人は運があった人。
ラキシス・クイーンズリングを買った人は運がなかった人。
蛯名騎手からすれば、完全にごっざんゴールですよね
「なんで後ろ来ないの？って感じでしたけどw」
このジョッキーに言わせればそうでしょう。
まぁ、マツリダゴッホのときもそうでしたが、こういうレースになると決まって１着になっているのは蛯名騎手だったりするんですよね
積極的に勝負しに行ったレース。天皇賞春のカレンミロティックもそうでした
この積極性が勝利につながりましたね。
前走のオールカマーSの失態はなんだったのかと突っ込みたくなりますが、
それがG1とG2の意気込みの差なんでしょうか
先行馬の強みはここですよね。不利を受けない強み。
近代競馬は本当にスローが多く、そこにG1の激しい攻防が加われば、
不利を受ける人気馬がいるのは「当然」なのかもしれません。
出走馬が確定し、メンバーを見渡した時に「あっ、スローになるな」という感じがしたら
後ろから進める馬は「不利を受ける可能性がある」ということを常に頭に入れるようにしましょう
ここで学んだことをG1以外のレースでも活かせるようにしたいですね
今日はこんなところで
最後にマイルCSの注目馬をおさらい
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鞍上は外を回した差すジョッキーなので、できれば外枠を引いて欲しいですね。
不利なく追い込めれば、上位を伺えると思ってます。
エリ女では「運」がなかった３頭を買ってしまったので
マイルCSでは「運」をたぐりよせたいですね
Good Luck!!!
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